“About me” 【第3話】ジレンマと起業の原点

暮らしは人とともに育つ
家はその歩みを受け止める器

 住宅設計の現場で積み重ねた十数年。けれども私はずっと心の中で「もったいない!」という思いを抱え続けていました。家づくりは人生の大きな選択。なのに多くの人が、真の意味でじっくりと考える前に、決断をしてしまうからです。

今回はそんな「もったいない!」からkurayuhaが生まれるまでのお話です。

結婚という転機

社畜過ぎて完全に婚期を逃した私ですが、瀬戸際ぎりぎりでなんとか結婚、出産することが出来ました。

恋愛偏差値マイナスの私が結婚に至るまでの道のりは、これもまた修羅でした。(こちらのお話はまた機会があれば…)

派遣・CADオペで知った会社ごとの違い

さて、結婚して働き方は変わり、派遣やCADオペで幾つかの建築会社に入ります。

それは「会社によってこんなに違うのか…」という驚きの連発でした。

打ち合わせのリズム、提案内容、標準仕様、納まり、図面の精度、準備の濃さ、ミスの数、社内の協力体制の仕組み…。

特に驚いたのはミスの数と社内コミュニケーション、工務の立ち位置の違いです。

以前勤めていた地元密着型の工務店では、入社一年目の時に業務フローの改善提案をしました。結果、お客様にとっても、会社にとっても良い仕組みが出来上がりました。お引渡し時はもちろん工事中でも「打ち合わせと違う」ということはほぼゼロ。それでも避けられないミスが会社全体で年に数件ある程度でした。

社内コミュニ―ケーションも活発でした。各部署間で衝突やいざこざはもちろんありましたが、それでも家づくりの為のコミュニケーションは欠かしませんでした。これは取引業者さんとも同様です。

そして、工務の方々は施工に妥協しませんでした。例えばお客様の要望ひとつとっても「長い目で考えた時に利があるのか」という視点で一緒に考えてアドバイスをくれました。(今の私は工務の方々に育てられたと思っています)

これがノーマルだと思っていました。でも、会社によって違うということを、他社で働いて初めて知ったのです。

リフォームや仲介で暮らしの変化に寄り添う

2~3の会社を転々とした後、リフォームや不動産仲介もしている自然派の工務店に務めることになりました。そこでは在来工法での新築住宅の設計打合せ、戸建リフォームやマンションリフォームの提案打合せ、中古物件の紹介等の仕事に携わりました。

ここでの経験は、住宅の始まりから、変化、そして出口(売却)などのリアルを知るきっかけとなりました。また、持ち物の量やライフスタイルなどをじっくりと伺いながら、住まいについてお客様と共に考えられたこともとても良い経験でした。

お客様とじっくり向き合えた最後の職場

最後に務めた会社での経験が、それまでの十数年の間に感じていたジレンマを浮き彫りにしました。

『家づくりは自分と向き合うことから始まる』と考えている私ですが、現実は、設計が始まってしまうと、お客様のスケジュールや概念上、または営業や会社の都合等様々な要因から、自分と向き合ってもらう余裕など無いことの方がはるかに多いのです。

もったいない!と感じ続けたジレンマ

土地を買う前、住宅会社を決める前、もっと前からもっとじっくり住まい選びや住まいづくりについて考え、深く共有していたら、もしかしたら違う選択があったかもしれないのに…、と思うことはこれまでも幾度となくありました。

それは自分が担当するお客様は勿論、間取りの打合せがスムーズに進まないと相談してきた知人、既に家を建ててしまった友人も同じでした。その度に、どうしようもなく『もったいない!』と感じていたのです。

『くらゆは』というサービスが生まれた理由

せっかくの時間とエネルギーやお金、地球の資源や労働力・技術を使うのなら、出来るだけ良いものを作って欲しい。その人その人にあった豊かな暮らしを育める住まいの選択が、出来るようになって欲しい。なんてもったいないんだ!と私が悔しく思う機会を減らしたい…。

長年繰り返し抱いてきたこのような思いから、「kurayuha」のサービスは生れました。

もし、自分と向き合う作業に価値を見出して、家について、暮らしについて、じっくり学んで考えて選択していこう!と思われたなら、それはもう全力でサポートします。結局のところこれらのサービス(商品)は、私が遠慮なくおせっかいするための口実でもあるのです。


家づくりとは自分を知ること
そして
暮らしは人とともに育ち
家はその歩みを受け止める器

この想いを胸にkurayuhaは、おせっかい全開でこれからもサポートをしていこうと思っています。

住空間デザイン事務所
Kurayuha代表 まゆこ
二級建築士
インテリアコーディネーター
3 ベースカラー認知論 A 級ライセンス

kurayuhaの由来

kura : 暮らしを
yu : 豊かに
ha : 育む

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